ニコラーエワ／バッハ名演集（1982年ビクター録音技師による優秀録音）

バッハ

①トッカータとフーガ ニ短調 BWV565（ニコラーエワ編）

②主よ、人の望みの喜びよ BWV147（ヘス編）

③目覚めよと呼ぶ声あり BWV645（ブゾーニ編）

④小フーガ ト短調 BWV578（高橋悠治編）

⑤今ぞ来たれ、異教徒の救い主よ BWV659（ブゾーニ編）

⑥シャコンヌ ニ短調（無伴奏vnパルティータ第2番 BWV1004 より：ブゾーニ編）

⑦「我が主の名を呼ぶ」BWV639（ブゾーニ編）

⑧シチリアーノ ト短調（フルート・ソナタ BWV1031 より：ケンプ編）



タチアナ・ニコラーエワ（ピアノ）

録音：1982年 今市市



ニコラーエワはバッハとショスタコーヴィチの権威として、ソ連ピアノ界でも際立った存在でしたが、彼女をその道のスペシャリストたらしめるきっかけとなったのが、1950年の『バッハ没後200年記念祭』でした。第1回バッハ国際コンクールの優勝者でもある彼女は、審査員でもあったショスタコーヴィチの知己を得『3台のピアノのための協奏曲』を共に演奏するなど、バッハの作品を通じてショスタコーヴィチと懇意な間柄となります。ニコラーエワのバッハ演奏は、モダン・ピアノならではの鳴りっぷりの良さと曲想のえぐり具合が印象的なもので、ブゾーニらの編曲による「シャコンヌ」「トッカータとフーガ」一連のコラールなどでの壮大な音楽と奥深い情感表現は実に見事。ペダルを駆使し、明確なリズムと幅広いダイナミクスによって陰影豊かに仕上げられたニコラーエワのバッハ演奏は、美しく揺るぎのない世界を築き上げています。



ピアノによるバッハ演奏で、最も人気があるのは、もちろんグレン・グールドですが、その次となれば意見の分かれるところ。ロシアのニコラーエワ女史も、世界最高のバッハ演奏家の一人と評価されてきました。ピアノ科の教授が学生に対して「グールドを手本にしなさい」とは決して言わないですが、「ニコラーエワのように！」と教えているのは耳にしたことがあります。現代ピアノの豊かな響きによる自然体の透徹した美しい演奏で、バッハの魅力を引き出しています。まるで青い炎が静かに燃えているようで、神秘的かつ魅力的な名演。



国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し



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