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大山康晴/勝負と人生
信念の人、大山康晴の将棋人生
将棋を知らない人でも大山康晴の名はよくご存じのはず。長く棋界のトップをつづけ、遂には文化功労者の称号を贈られて将棋が文化であることを社会に認知させた人物である。東京、千駄ヶ谷に立派な将棋会館が完成し、こけら落としに少年少女将棋大会が行われたときのことだ。付き添いの親たちを見て、大山さんは「立派な建物ができ、親たちは安心して子供たちに将棋をやらせようと思うでしょう」と私に語りかけた。それ以前の会館は和風二階建で道場もなく、深夜アベックが迷いこんできたという逸話が残っている。東京につづいて、大阪でも大山さんが建設委員長になって関西将棋会館ができた。大山さんは候補地の選定、資金集めに東奔西走した。松下幸之助さんに会いに行くという彼を東京駅へ送ったとき、松下さんの著書を抱えていて「人に会うときは勉強しないとね」と言った。多忙な人で、列車のなかで睡眠時間をかせぐのが常だったが、この頃は違った。大山さんは経営の才能があり、大阪駅の貨物操車場が廃上になるという情報をつかみ「福島が将来大阪駅と直結する」と読んでこの地に決めた。金集めは大変だったし、時あたかもバブルがはじける以前のことで、貸しビル形式にしてはどうか、と言う人もいたが、大山さんは「棋士だけの会館を作りたい」と信念をつらぬいた。その正しさは後に立証されたのである。念願は将棋を文化として認めてほしい、ということであり、対局以外はすべて普及に棒げた人だった。依頼があると全国どこへでも出かけて講演した。私もよく同行して、聴衆の一人になったものだ。その日の会場を見渡して、高齢者が多い、将棋ファンの催しだ.女性が多い.それによって話の中身を変えた。例えば将棋ファンが多いと「盤と駒を持っていて、免許が欲しい人にはいつでも初段を差し上げます」とドキッとするようなことを言う。高齢者が多いと、90歳を越した自分のお母さんがベッドでひもを使って機能訓練にはげんでいる話をして元気づける。この『勝負と人生』の講演は、棋士としての体験から、勉強の仕方、自信のつけ方、スランプの克服法などを語ったもので、将棋を知っているかどうかにかかわらず、人生の指針として大いに参考になる。(井口昭夫)
講演:大山康晴(1923年(大正12年)3月13日~1992年(平成4年)7月26日)
放送日:1980年4月5日
ANY(NHKサービスセンター) FZCZ-40541(ANY C-3012)
ご存じの方には多言ではございますが、その量と質からも、最高の講演でございます。名盤中の名盤でございます。 大事にコレクションしておりましたが、増えすぎたDVD・CD類の整理をしており、この度出品させて頂きました。格安にて出品させて頂きましたので、どなた様かお引取商品有可能只能自取,自取費用相當高,請查看頁面確認 り頂き、お楽しみ頂ければ、誠に幸いです。
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