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ドイツ統一戦争―ビスマルクとモルトケ (教育社歴史新書)
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1996年新装版
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望田幸男 (著)
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アマゾンの書評より
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5つ星のうち3.0 ポリティコ・ミリタリーなドイツ統一史
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1848年の三月革命から1871年のドイツ帝国創建までを対象としたドイツの統一過程を一般向けに解説するものです。著者の望田教授はドイツ近代史の専門家ですが、軍制史や政軍関係論にも殊のほか明るいようで、本書でもポリティコ・ミリタリーな観点が重視されており、ドイツ統一過程における軍隊の作用を巧く描き出しています。
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さて、クラウゼヴィッツによれば、戦争は他の手段を以ってする政治の延長であるが、(政治とは異なる)独自の文法を持つのだとか。そもそもドイツ統一のプロセスはビスマルクが主催する一大政治プロジェクトです。モルトケを中心とするプロシア軍は、鉄血の手段をもってこれに参加し政治目標の達成に大きく貢献しますが、デンマーク戦争やケーニヒグラーツの勝利により軍部の威信が重きを加える中、戦争独自の文法、すなわち軍隊固有のロジックが次第に存在感を増し、やがては政府と軍部との関係に少なからぬ確執をもたらすことになります。本書は、こうしたドイツ統一プロセスにおける政軍関係の微妙な推移を分かり易く分析しています。
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そんな矛盾もある中で統一を実現できたのは、何と言ってもビスマルクの政治的辣腕振りによるものでしょうが、この人の悪さ加減と言ったらたいへんなものです。軍隊や議会の主張に耳を貸さないだけでなく、国王その人に対してすら面従腹背で正にやりたい放題だったようです。良く言えば「信念の人」ということなのでしょうが、部下にこんな男を持った王様、さぞやストレスが溜まったのではないでしょうか。
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