内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い、Keith Emerson(Key ex-The Nice)、Greg Lake(B、G、Vo ex-King Crimson)、Carl Palmer(Ds、Per ex-Crazy World Of Arthur Brown、Atomic Rooster)となります。
1970年10月ベルギー・ブリュッセルでのTV放送用に収録された音源で後に”Masters from the Vaults”として映像商品化されたものでございますが、新規にリマスターが成されたものでございます。
(.....................放送時は1971年の模様でございますが.................................................................)
ステレオ録音とは言えどモノラル的ではございますが、ノイズ処理や音の安定化等の音響処理が非常に丁寧に成された模様でこの手の類としては非常に良心的な音質となっております。
それに加えてSHM-CD仕様となっておりますので、より良いものとなっております(但し、オーディオ機器によりけりでございますが...............................................................)。
当時のロックバンドやプログレ系の中でも異彩を放つバンドでございます。
様々な音楽の要素をロックという土台の上でイギリス的な生真面目さとアマチュア性で創り上げてしまったのがかの「プログレッシヴ・ロック」ではございますが、その中でも強烈な異彩を放つバンドでございます。
かのRitchie Blackmore(ex-Deep Purple、Rainbow)が「後にも先にもいない一世一代の演奏者」と称したほどのKeith Emersonでございますが、Greg LakeやCarl Palmerという同格の個性的な演奏者を得、
非常に刺激を受け、ライヴという事もあり嘗てのThe Niceが霞む程の強烈な音楽や演奏を繰り広げております。
但し、ジャズ的な自発的なものではなく全ては譜面によるものではございますが................................................
今作はライン録音とは言えど正規ライヴ盤制作用として収録されたものではなくモノラル感の強いステレオ録音の感がございますが、そこが非常な音的な迫力を更に醸し出している感がございます。
そもそもデビュー作”Emerson,Lake & Palmer”リリース直前のライヴで、首の皮一つで強烈な三名の個性を繋ぎ合わせた感のあるデビュー作を物語る感がございます。
何せ差し替えが行われていない(出来ない)音源、非常に生々しい演奏が聴かれます。
ワイト島デビューライヴに比べて整合感がございますが、未だ融合という感はないもの。
(ワイト島ライヴは聴けば聴く程凄まじいライヴではございましたが、当時は散々な評価。
かのBBCの故John Peelは当時のオイル・ショックでの電力不足に掛け「電気の無駄遣い」(「大きなお世話だ!ロック音楽自体がそうだろうが!」と言いたくもなりますが.......)との評を下す始末。
Keith Emerson自身も結成当初は「駄目だこりゃ」と思っていた模様でございますが..........................................)
正に個性のぶつかり合い的でいつ崩壊してもおかしくない様な音楽性。
音楽性のみならず演奏・アンサンブルも非常にスリリング、継続していけるのだろうか?と当時は思われていた事が伺えるものでございます。
(事実、崩壊後にバンドの名称権を巡って争いにならない様なバンド名にした事からも伺えるものでございます)
そもそも強烈なバンドではございますが活動が継続していくにつれ個性が融合・こなれていきますので、この音源は「ワイト島ライヴ」と同じく非常に貴重な時期の音源となります。
ロック音楽ではございますが、それというよりはむしろ現代音楽という感がございます..............................................
正直この時期、それぞれの音楽性の融合が未完全。摺り合わせで成り立っている感がございます(次作「Tarkus」で完全融合の感がございますが.......................)。
されど強烈。キーボード・トリオでこれ程の強烈さ。へヴィーで尖った音楽性が出来るものか!と言わしめるもので演奏も強烈。
現代音楽が背景にあるにせよ、非常に実験的。ロックという音楽の可能性を最大限に生かした感がございます。
この後にリリースされるデビュー作が成功を収める訳でございますから、この時代の音楽ファンの感性が如何に鋭く、感受性豊かなものであったかが判るものとなっております...............................................
悲しいかな、既にKeith Emerson、Greg Lakeは他界(前者は自殺、後者は自叙伝執筆・完成後翌日に他界............相棒の後を追う様に................)。
追悼文で前述のRitchie Blackmoreが「実はこのトリオにJimi Hendrixを加えて”HELP”となる計画があった」と述べられておられましたが、この強烈なトリオにJimi Hendrix。
またJimi HendrixはGil Evansを通じてMiles Davisとの音楽的邂逅を控えていた事もあり、生きていればどうなっていたのかと。
嘗てジャズ・ドラマーを目指していた名手Carl Palmer一人が残された現在でございます...........................................................
現在では入手が非常に困難。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しくお願い致します。