日本独自リマスターでございますが、日本特有の高音中心の音質の感があり幾分杓子定規的な感のあるリマスターでございますが、オリジナルに即しており非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは興味深い名手揃い、Bernie Torme(Vo、G、Key、ex-Gillan、後にOzzy Osbourne、Torme、Desperado、GMS他)、Everton Williams(B、Vo)、Frank Noon(Ds、ex-Def Leppard(自主制作EP時代)、後にThe Waysted)となります。
またゲストに何と!Robert John Godfrey(Key、The Enid、Berclay James Harvestのストリングス・アレンジャー兼指揮)他となります。
またプロデュースもThe EnidのギタリストStephen StewartとBernie Tormeの共同プロデュース。使用スタジオがThe Enid所有とは言えど、音楽性の違いが非常に興味深いものでございます..................................
そもそもJimi Hendrixをルーツに持つものの、パンク分野で活躍。非常に高い評価を受けたものの、HR回帰したIan Gillanにスカウトされ”Ian Gillan Band”(後に”Gillan”に改名)に加入。
”Mr.Universe””Glory Road””Future Shock”という大傑作を制作。非常に攻撃的な演奏で高い評価を博し大成功を収めるものの、Ian Gillanは創作面で王立音楽院出身のColin Townsを重視。
創作面に不満を抱いたBernie Tormeは”Future Shock”リリース後に急遽脱退。再びソロへと転向するという経緯がございます。
そもそも”Future Shock”制作時に並行して1st制作が進められていた模様で、当時の同僚Colin Townsの手助けを借り制作を進めていた模様。
”Gillan”の”Future Shock”用に用意したものの不採用となった楽曲を生かした作品という感があり、もっと”Gillan”でギター中心の音楽性を指向したかった感が伺える音楽性でございました。
1st制作後にかの再結成Atomic Roosterに参加。その後名手Randy Rhoadsを失ったかのOzzy Osbourneに呼ばれ、オーディション選考を兼ねツアー参加するものの「Jimi Hendrixのコピーは要らない」との心無い判断で解雇。
帰国後、今度はソロを母体として”Electric Gypsies”を結成。今作制作に臨むという経緯がございます。
前作はBernie Torme特有のパンク色の攻撃性が絡む音楽性であるもののNWOBHMや八十年代を睨んだ感のある整った音楽性で、後に聴かれるBernie Tormeの音楽性では一番八十年代HR色が強いもの。
(Key奏者込みの音楽性という事もあり)案外纏まった楽曲が揃い、この音楽性を”Gillan”で生かしたかったというBernie Torme本人の意向が感じられる感がございました。
(”Gillan”では不採用となったものの楽曲の出来には自信を深め、”Gillan”脱退を決意させた感がございます...............................................)
今作”Electric Gypsies”ではよりR&R色を強めた感のある音楽性でGillan加入以前のパンク分野で高い評価を受けた時代に回帰した感のある音楽性でもございます。
Bernie Tormeは感覚に任せたソロ演奏が特徴の感がございますが、前作の纏まりに比べ本音に近いスリージーな感覚のそれが強く感じられるもの。
また、Bernie Torme特有のパンク的で勢いがあるもののスリージーな感覚の楽曲が目立つもの、但し、(八十年代と言う事もあり)メロディ重視の楽曲も目立ち興味深いものがございます。
その後のBernie Tormeの音楽性の基礎となった感がございます。
残念ながらセールス不振もあり、”Electric Gypsies”は短期間で解散。されど、グランジ/オルタナ登場以降の現代から見れば再評価に値する名作の感がございます.......................................
Ozzy Osbourneには心無い理由で解雇となったものの、時代は八十年代。
前任名手故Randy Rhoadsにせよ、後任名手Jake E.Leeにせよ、(音楽性が異なるものの)「構築性のある音楽性とソロワーク」が特徴のギタリスト。
感覚的にソロを繰り広げる「忙しない」とも言われたBernie Tormeのスタイルは当時のOzzy Osbourneが指向する整った構築性の音楽性には合わなかった感があり、また時代の要望と合致しなかった事が不採用に繋がった感がございます。
但し、”Lightning Strikes”では「こういう事も出来るのですが」と言いたげなソロが聴かれますが...................................Ozzy Osbourneの当時の音楽性に合わせる音楽的な器用さも持ち合わせている事が判り、もし採用となっていたら........................
と思わせるものがございます..............................................................................................
Ozzy Osbourne Band在籍時のツアーの観客の一人が何と!後の後任名手Zakk Wylde!
非常に感銘を受けたとの話でございましたが、Zakk Wyldeの演奏スタイルも荒々しさを特徴としたもの。Bernie Tormeの影響を見る感がございます。
またここ近年、同じフェスティバル出演という事でBernie TormeがOzzy Osbourneを楽屋に訪ねたところ、Ozzy Osbourneが大変喜んだとの話がございます。
Bernie Tormeの才能を非常に称賛(何だかな~)との事でございますが、Ozzy Osbourneもツアーから引退という時期。歳も取り引退も近く、人が丸くなった感もございますが、時代が変化した現在ではBernie Tormeの指向する音楽性は..................
という感がございます。
Bernie Tormeの再評価を願いたいものでございます..........................................................
またゲストのRobert John GodfreyのR&R系演奏が聴かれるという希少な音源でもございます......................................................
R&R寄りのHRとも呼ばれた”Gillan”ではございますが、その音楽面の攻撃性や鋭角さはこのBernie Tormeが担っていた事が判る音楽性となっております。
この機会に是非。
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