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以下、所謂ブラクラ妄想ショートショートです〜〜
『氷の雫 - 永遠の約束』
凍てつく王国アイスクリスタリアの最深部、青く輝く氷の宮殿に一人の女王が住んでいました。アルティゼア(以下ティア)と呼ばれる彼女は、類まれな美しさを持ちながらも、心を閉ざした孤独な統治者でした。
彼女の胸元には、ブルートパーズで作られた一連の首飾りが光を放っていました。それは代々の女王が受け継いできた「氷の雫」と呼ばれる魔法の品。透明な青色の結晶は、まるで凍った涙のように美しく、見る者の心を魅了しました。
ティアは幼い頃から、感情を表に出すことを禁じられて育ちました。「女王たるもの、決して心を乱してはならない」という厳格な教えのもと、彼女は完璧な統治者となることを求められたのです。
ある日、王国に一人の旅芸人がやってきました。リオンという名の青年は、氷の魔法を操る特殊な才能を持っていました。彼の奏でる氷の音楽は、凍った心さえも溶かすほどの温かさを秘めていたのです。
ティアは初めて、自分の心が揺さぶられる感覚を覚えました。リオンの演奏を聴くたびに、首飾りのブルートパーズが不思議な輝きを放ち始めたのです。
しかし、王国の古い掟は、女王が平民と心を通わせることを固く禁じていました。は苦悩の日々を送りながらも、次第にリオンとの密かな交流を重ねていきました。
ある夜、二人が宮殿の秘密の庭園で出会った時、ティアの首飾りが突然、まばゆい光を放ちました。その瞬間、彼女の心に封印されていた感情が一気に解き放たれたのです。
伝説によると、「氷の雫」には、真実の愛に出会った時にのみ、女王の心を解放する力があるとされていました。何世代にもわたって、誰一人としてその力を引き出すことができなかったのです。
ティアの涙とともに、王国を覆っていた永遠の冬が少しずつ溶け始めました。彼女の心の氷が溶けるにつれ、王国全体が春の訪れを感じ始めたのです。
古い掟を見直したティアは、感情を抑圧する伝統を廃止。代わりに、愛と調和を重んじる新しい統治方針を打ち立てました。リオンは彼女の良き理解者として、共に王国の改革に取り組みました。
そして今、アイスクリスタリアは、厳格さと温かさが見事に調和した理想の王国として知られています。ティアの胸元で輝く「氷の雫」は、かつての冷たい光から、温かな希望の光へと変わりました。
ブルートパーズの首飾りは、今でも代々の女王に受け継がれています。しかし、それは最早、感情を封じる道具ではなく、真実の愛の象徴として、人々の心に希望を与え続けているのです。
アルティゼアとリオンの物語は、感情を抑圧することなく、むしろそれを受け入れ、理解することの大切さを教えてくれます。時に脆く見える感情こそが、実は最も強い力を持っているのかもしれません。
今でも雪の降る夜、宮殿の庭園からは美しい氷の音楽が聞こえてくると言います。それは、真実の愛が永遠に奏でる、心温まるメロディーなのです。
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