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書籍●木と鉄の調和美-和箪笥/仙台.岩谷堂.佐渡.酒田.庄内.米沢.他/船箪笥.車箪笥.階段箪笥.他/時代箪笥 ●鍵と錠-安芸錠.土佐錠.阿波錠.他

●「鍵と錠」・(詳細を追加画像と本文に)

●特集タイトル!

●階段箪笥.薬箪笥.刀箪笥.意匠箪笥.他!

●舟箪笥の産地-佐渡.酒田.小木-帳箱.懸硯

←部分ー舟箪笥は海に浮く/舟箪笥を解剖す

●仙台箪笥.庄内箪笥.米沢箪笥-車箪笥.他

←部分-仙台箪笥の金具制作工程!

●佐渡箪笥.村上箪笥.岩谷堂箪笥.松本箪笥

■本誌掲載広告-連発自動式火縄銃.有名歴

史的大鉄砲.他!  ●表紙!

  • 商品數量
    1
  • 起標價格
    2,000円
  • 最高出價者
    前往原始頁面查看
  • 開始時間
    2024年11月06日 21時56分(香港時間)
  • 結束時間
    2024年11月13日 21時56分(香港時間)
  • 拍賣編號
    h1157256107
  • 商品新舊
    有傷損和汙損(在描述中說明)
  • 自動延長
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  • 可否退貨
 
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■■書籍■■  ■■『古美術名品―集』・34号■■  ■■『木と鉄の調和美・和たんす』―「和箪笥の誕生・(箱から抽斗へ)」―車長持/武家長持/車箪笥―「和箪笥・鑑賞の予備知識」―箪笥各部の名称/金具各部の名称/丸太から板を切り出す方法/漆の種類と塗りの技法/引手金具の形と名称―「用途別・和箪笥の多彩」―衣装箪笥/階段箪笥/江戸時代の帳場風景/薬箪笥/行商箪笥/髪結箪笥/帳場箪笥/刀箪笥/水屋箪笥―「海運の発達と船箪笥」―酒田・懸硯/佐渡・帳箱―「船箪笥の産地」―小木・懸硯/小木・帳箱/酒田・帳箱/佐渡・知工箪笥―「仙台箪笥」―「地方色豊かな箪笥」―庄内箪笥・(酒田・鶴岡)/米沢箪笥/佐渡箪笥・(八幡・小木)/村上箪笥/見附箪笥/岩谷堂箪笥・(奥州)/松本箪笥■■  ■■『鍵と錠』―和錠産地別の特色―安芸錠/土佐錠/阿波錠―カラクリ錠■■  ■■骨董の値段がわかる・価格情報■■  ■■以下詳細をご覧下さい!!■■




■■『書籍』・・・■■



●●『集』・・・●●

―”第34号”―

  ◆集出版社。



―”特集・壱”―

■■『木と鉄の調和美・和たんす』・・・■■



●「表紙より」・・・●

―”特集・壱”―

  ◆木と鉄の調和美・『和たんす』。

   ★杢目の波紋のような流麗さ、漆塗のつややかな
    照りと重厚かつ繊細な鉄金具との調和美・「和
    箪笥」・に融合された、木と鉄の匠の技を探訪
    する。

―”特集・弐”―

  ◆山岸コレクション・『鍵と錠』。

―”特集・参”―

  ◆特別インタビュー・『草木と生きる』・草木染・
   山崎青樹。



■発行日=2007年9月。
■発行所=株式会社・集出版社。
■サイズ=18×25.5×1.5cm。
■状態=美品。
  ●表紙に・キズ・ヤケが有ります。
  ●本誌内に・多少の・ヤケが見えますが
  ●大きなダメージは・無く
  ●年代的には・良い状態に思います。



◆◆注意・・・◆◆

 ★発行日より・経年を経て下ります。
  コンディションに係らず・古書で有る事を
  充分に御理解の上・御入札下さい。

 ★神経質な方は入札をご辞退下さい・・!!



●全・196頁・・・!!



●特集①・「和箪笥―木と鉄の調和美」。

**”(11頁)”**

―”協力”―

  ◆かやぶきの郷・薬師温泉・旅籠/箪笥金具職人・
   野崎正明/財団法人・家具の博物館/加賀市・北
   前船の里資料館/東京都立中央図書館/時代箪笥
   ・「和合」・和合和彦/ギャラリー志摩・陶山治
   /ほその書店・細野敏雄。

―”参考文献”―

  ◆『箪笥』・小泉和子。
               ・(法政大学出版局)。

  ◆『和箪笥百選』。
           ・(家具の博物館収蔵品図録)。

  ◆緑青11・『和箪笥―木と鉄の感触』。
               ・(マリア書房)。

  ◆緑青21・『時代箪笥―地域別特色と分類』。
               ・(マリア書房)。

  ◆別冊太陽137・『和家具』。
               ・(平凡社)。



●特集②・「鍵と錠」。

**”(2頁)”**

―”協力”―

  ◆山岸賢司/群馬県立歴史博物館。

―”参考文献”―

  ◆『和錠と宝尽し図鑑』・加藤早苗。



●特集③・草木染作家・山崎青樹・Interview
    ・「草木と生きる」。

**”(2頁)”**

―”協力”―

  ◆草木屋/高崎市染料植物園。

―”参考文献”―

  ◆『草木染―色を極めて五十年』。
               ・山崎青樹。
               ・(美術出版社)。

  ◆『古代染色二千年の謎とその秘訣』。
               ・山崎青樹。
               ・(美術出版社)。

  ◆『続・草木染―染料植物図鑑』。
               ・山崎青樹。
               ・(美術出版社)。

  ◆『再刊・生活美学雑誌・月明』。
               ・山崎青樹。



●各項目と・各品に、解説が有ります・・・!!



●歴史のインテリア・骨董の値段がわかる・全国有名骨
 董店の・最新・価格情報掲載!

  ◆専門誌では有りません・骨董誌の巻頭特集です。

  ◆掲載の骨董店では・「和箪笥」・も多数掲載され
   て下ります。



●蒐集・資料などの参考に・・・!!



●探されていた方は・この機会に・・・!!



●以下・詳細をご覧ください・・・!!

  ◆掲載案内は・抜粋して下ります。

  ◆掲載内容は・Q&Aより・問い合わせ下さい。

  ◆数字記載は目視です・間違いは御容赦下さい。



●掲載を抜粋紹介し・「タイトル」・と致します。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



―”特集・壱”―

■■『木と鉄の調和美・和たんす』・・・■■

★木と鉄、そして漆。
 それらは古代より、日本の文化を根底から支えた三大
 物質だといえる。
 豊かな植生と天然漆に恵まれた日本では、太古より樹
 木と漆の活用技術を連綿と育み続け。
 世界太古の木造建築・「法隆寺」・をはじめ、精緻な
 蒔絵工芸品など、幾多の文化遺産を残してきた。
 そして鉄。
 鉄鉱石の産出が少ない我が国は、砂鉄と木炭を利用し
 た独創的な製鉄法・「たたら製鉄」・を編み出し・「
 ケラ」・と呼ばれる比類ない高純度の鉄塊とそれを鍛
 造する技術から、世界に誇る日本刀の輝きを生み出し
 た。
 もともと鉄の製造そのもので、緊密に関係し合った木
 と鉄。
 それらが、江戸時代半ばから、明治・大正にかけて庶
 民の求めから発展した・「和箪笥」・の中で独特のハ
 ーモニーを奏でてゆく。
 杢目の波紋のような流麗さ、漆塗のつややかな照りと
 、重厚かつ繊細な鉄金具との調和美。
 「和箪笥」・に融合された、木と鉄の匠の技を探訪す
 る。


●●『和箪笥の誕生』・・・●●

―”箱から抽斗へ”―

  ◆車長持。
               ・総欅。
               ・車は栗材。
               ・米沢産。
               ・江戸中期~後期。

  ◆武家長持。
               ・総桐。
               ・産地不明。
               ・江戸時代。

  ◆車箪笥。
               ・総欅。
               ・産地不明。
               ・江戸後期~明治。



●●『和箪笥・鑑賞の予備知識』・・・●●


●「箪笥各部の名称」・・・●

**”22箇所”**

  ★1・天井板。

  ★2・引き戸。

  ★3・小抽斗。

  ★4・盆。

  ★5・棚板。

  ★6・両開き・(観音開き)。

  ★7・端喰。

  ★8・抽斗。

  ★9・裏板。

  ★10・地板。

  ★11・片開き戸。

  ★12・仕切板。

  ★13・定規縁。

  ★14・側板・(帆立)。

  ★15・閂。

  ★16・台輪。

  ★17・横脚。

  ★18・前脚。

  ★19・先側・(先板)。

  ★20・底板。

  ★21・奥行・(入側)。

  ★22・前板。


●「金具各部の名称」・・・●

**”22箇所”**

  ★1・帯金具。

  ★2・差込錠。

  ★3・座金。

  ★4・引手。

  ★5・隅金具。

  ★6・あたり鋲。

  ★7・錠前。

  ★8・縁金具。

  ★9・環。

  ★10・棹通し。

  ★11・通し座金。

  ★12・持送り。

  ★13・定紋。

  ★14・蝶番。

  ★15・屋号。

  ★16・合板目・(板目)。

  ★17・空錠。

  ★18・鎹。

  ★19・菊座。

  ★20・座金付鍵穴。

  ★21・鋲。

  ★22・手掛錠。


●「丸太から板を切り出す方法」・・・●

  ◆柾目。

  ◆板目。


●「漆の種類と塗りの技法」・・・●

  ◆春慶塗。

  ◆木地蝋塗。

  ◆摺漆塗。


●「引手金具の形と名称」・・・●

  ★1・角手。

  ★2・蕨手。

  ★3・木瓜。

  ★4・蛭手。

  ★5・軍配。

  ★6・環。

  ★7・変り形。



●●『用途別・和箪笥の多彩』・・・●●


●「衣装箪笥」・・・●

  ◆衣装箪笥。
               ・前欅。
               ・船底形引手。
               ・仙台産。
               ・明治中期。


●「階段箪笥」・・・●

  ◆階段箪笥。
               ・総欅。
               ・角手。
               ・庄内地方。
               ・明治時代。


●「江戸時代の帳場風景」・・・●

  ◆佐渡船箪笥。

  ◆帳場箪笥。

  ◆帳場箪笥。

  ◆銭箱。


●「薬箪笥」・・・●

  ◆薬箪笥。
               ・環と蕨手。
               ・産地不明。
               ・江戸~明治。


●「行商箪笥」・・・●

  ◆行商箪笥。
               ・真鍮金具。
               ・産地不明。
               ・明治時代。

  ◆行商箪笥。
               ・前欅。
               ・角手。
               ・産地不明。
               ・明治中期。


●「髪結箪笥」・・・●

  ◆髪結箪笥。
               ・黒漆。
               ・真鍮金具・角手。
               ・京都産。
               ・江戸~明治。


●「帳場箪笥」・・・●

  ◆帳場箪笥。
               ・総欅。
               ・蛭手。
               ・米沢産。
               ・明治後期。


●「刀箪笥」・・・●

  ◆刀箪笥。
               ・総合桐。
               ・蕨手。
               ・産地不明。
               ・江戸~明治。


●「水屋箪笥」・・・●

  ◆水屋箪笥。
               ・蕨手。
               ・近江地方産。
               ・明治~大正。



●●『海運の発達と船箪笥』・・・●●

★江戸時代から明治・大正にかけて、大量物資の輸送は
 、千石船や弁財船と呼ばれた。
 大和型荷船が担っていた。
 大坂・江戸間を結んだ定期船は菱垣廻船・樽廻船と呼
 ばれ、日本海側では北前船が北海道から北陸・山陰・
 下関を回って瀬戸内海を大坂へと活躍した。
 それらの海運業のほとんどは民間の廻船問屋や船頭個
 人の運営で、運搬のみの運賃積と、商品を仕入れて運
 搬し販売する買積があり、菱垣・樽廻船は運賃船・北
 前船は買積だった。
 当然、買積の方が利潤は大きく、北前船の船主や船頭
 ・水夫・(船乗り)・は莫大な富を得た。
 彼らが私物として、貴重品や衣類を収納した箪笥が、
 今日・「船箪笥」・と呼ばれるもの。
 その工芸品としての美しさを見い出し・「船箪笥」・
 と名付けたのは、民芸運動を主導した柳宗悦だった。
 当時は貴重品類を納めるものを・「懸硯」・「帳箱」
 ・衣裳櫃を・「半櫃」・とよんだ。
 特に懸硯と帳箱は、船商人の経済力と信用の象徴とも
 なり、贅を尽くした特注品が生産された。

  ◆酒田・「懸硯」。
               ・総欅。
               ・明治初期。

  ◆佐渡・「帳箱」。
               ・前欅・側・中は桐。
               ・蕨手。
               ・明治初期。



●●『船箪笥の産地』・・・●●

★船箪笥を最初に製造し始めたのは、定説ではないが、
 やはり大坂だったと思われる。
 江戸時代、大坂は全国最大の物資の集散地で、諸藩の
 蔵屋敷をはじめ廻船問屋も集中していた。
 当初、船箪笥は金庫としての、懸硯のみで、それでも
 陸上で使用していたものを流用していた。
 それが海運業の発達とともに各地に広まり、とりわけ
 日本海航路の北前船の盛況とともに、佐渡や小木や山
 形の酒田・福井の三国などで船頭専用の豪華なものが
 生産されてゆく。
 北前船の日和待ち・風待ちの寄港地として賑わい、船
 箪笥の特注品はもちろん、見込み生産も行なわれた。
 その他の産地としては、秋田の戸賀・新潟の村上・山
 形の加茂などが挙げられる。

  ◆小木・「懸硯」。
               ・総欅。
               ・江戸後期。

  ◆小木・「帳箱」。
               ・前欅。
               ・蕨手。
               ・明治初期。

  ◆酒田・「帳箱」。
               ・前欅。
               ・角手。
               ・明治初期~中期。

  ◆酒田・「帳箱」。
               ・前欅。
               ・角手。
               ・明治初期。

  ◆佐渡・「知工箪笥」。
               ・総欅。
               ・角手。
               ・明治時代。

  ★船箪笥は海に浮く!?

  ★船箪笥を解剖すると・・・。



●●『仙台箪笥』・・・●●

★仙台箪笥は、羽織を折らずに、また刀を収納する男持
 ちの箪笥として、江戸末期に始まる。
 開口四尺、抽斗は四段で高さ三尺前後、貴重品を入れ
 る片開き戸が付くのが典型的で・「爺呂・(野郎)・
 箪笥」・と呼ばれた。
 最大の特徴は金具で、龍や鳳凰・唐獅子・牡丹などを
 打ち出して浮き上がらせた豪華なもの。
 前板は欅や栗材が多い。

  ◆衣装箪笥。
               ・前欅.。
               ・木瓜。
               ・明治後期。

  ◆衣装箪笥。
               ・前欅。
               ・舟底形。
               ・明治時代。

  ◆衣装箪笥。
               ・前欅。
               ・舟底形。
               ・明治中期。

  ◆七尺箪笥。
               ・前欅。
               ・木瓜。
               ・明治中期。

  ★仙台箪笥の金具製作工程・(15図)。


●●『地方色豊かな箪笥』・・・●●


―”山形県”―

●「庄内箪笥・(酒田・鶴岡)」・・・●

★現在の山形県酒田市と鶴岡市を中心とした庄内地方も
 、箪笥の地場産地として、豊かな地方色を生み出した。
 桐・杉・樅材など黒塗箪笥と拭き漆塗の欅箪笥の二種
 が有名で、ともに打ち出し金具が厚く凹凸に富み、
 また透かしなどを施して表情豊かな特徴を持っている。

  ◆手許箪笥。
               ・総桐。
               ・前黒漆塗。
               ・蕨手。
               ・明治中期。

  ◆手許箪笥。
               ・総桐。
               ・前黒漆塗。
               ・蕨手。
               ・明治後期。

  ◆衣装箪笥。
               ・総桐。
               ・角手。
               ・明治中期。

  ◆衣装箪笥。
               ・前欅。
               ・側桐。
               ・角手。
               ・明治後期。



●「米沢箪笥」・・・●

★米沢は・「独眼竜」・こと伊達政宗の生地として知ら
 れる。
 江戸時代の藩主は上杉氏で、九代目の名君・鷹山のも
 と、織物業などの手工業が発達した。
 米沢箪笥の大きな特徴は丸形の錠前金具で、桜や揚羽
 蝶などを彫刻する。
 衣装箪笥では四丁引きで、小袖斗と片開き戸を上部右
 に設ける形が典型的。

  ◆衣装箪笥。
               ・前欅。
               ・木瓜。
               ・明治後期。

  ◆衣装箪笥。
               ・鏡板葉・側杉。
               ・木瓜。
               ・明治後期~大正。

  ◆車箪笥。
               ・前欅。
               ・蕨手。
               ・明治中期。

  ◆車箪笥。
               ・総欅。
               ・蕨手。
               ・明治初期。

  ★框組と舞良戸。


●「佐渡箪笥・(八幡・小木)」・・・●

―”八幡箪笥”―

★江戸中期に佐渡奉行の求めに応じて製作された・「物
 入れ」・が始まりとされ、後に嫁入り道具の一つとな
 った衣装箪笥などの島内の需要を一手に引き受けるよ
 うになった。
 前板は桐に漆塗りが多く、金具は小木箪笥に比べ薄手
 だが、大きく派手で、松竹梅や鶴亀、恵比寿や大黒な
 どめでたい図柄を透かし彫りにするのが特徴。

  ◆衣装箪笥・(八幡)。
               ・総桐。
               ・蕨手。
               ・明治時代。


―”小木箪笥”―

★北前船の船頭が贔屓の芸者に贈るため、船箪笥職人に
 依頼して、衣装箪笥を造らせたのが始まりとされ・「
 芸者箪笥」・とも呼ばれた。
 前板には良質の欅を用い、丹念な拭き漆仕上げが見事。
 鉄金具は厚く大きく、雲形模様など曲線美を活かした
 抽象的な意匠が多い。

  ◆衣装箪笥・(小木)。
               ・前欅。
               ・角手。
               ・明治時代。


●「村上箪笥」・・・●

★村上地方は平安時代から、天然の漆の生産地として知
 られ、十五世紀から始まる・「木彫堆朱」・で有名。
 江戸時代には村上藩の城下町として栄え、現在でも市
 中に武家町、商人町の面影が残る。
 明治期には、優れた木工技術を活かした優品を生産し
 た箪笥の産地でもあった。

  ◆帳場箪笥。
               ・総欅。
               ・角手。
               ・江戸後期~明治初期。

●「見附箪笥」・・・●

★箪笥の産地として知られた長岡市の北に隣接し江戸時
 代より繊維業が栄えた見附市でも、明治期には箪笥が
 製造されており、知られざる名産地の策として、僅か
 ながら優品が残されている。

  ◆帳場箪笥。
               ・総桐・角手。
               ・明治中期。


―”岩手県”―

●「岩谷堂箪笥・(奥州)」・・・●

★現在の岩手県奥州市江刺区の岩谷堂は、平安末期に平
 泉文化を築いた奥州藤原氏の初代・清衡が、平泉に移
 る以前、約三十年にわたって本拠地とした地で、古く
 から木工や鋳金の伝統があった。
 箪笥の製造は江戸中期の天明年間・当時の岩谷堂城主
 が家臣に木工家具の製造と商品化を研究させたことに
 始まるとされる。
 明治に入り需要が高まると、欅や桐の良材に拭き漆塗
 りや木地呂塗りで鮮やかに木目を活かした塗りと、手
 打ちで浮き彫りにした手の込んだ優美な金具が人気を
 博し、東北各地に流通した。
 現在もその伝統を受け継ぎ、生産が続けられている。

  ◆車箪笥。
               ・前欅・蕨手。
               ・明治中期。

    ★漆塗りの丁寧さ、手打ちによって模様を浮き
     彫りにした金具の堅牢かつ優美なさま、側面
     に棹通しや持送り金具がないなど、岩屋堂箪
     笥の特徴を備えた典型例。


―”長野県”―

●「松本箪笥」・・・●

★信州松本では、古くからの木工技術を背景に、東北系
 の箪笥とは趣を異にする独特の雰囲気をもつ箪笥が生
 まれた。
 欅・楢・桐などの無垢を用いて、見えない所に伝統に
 優れた組手・接手技法を駆使しする。
 また、引手が分厚い角手のものに優品が見られ四角く
 大振りの錠前金具が力強さと重厚感を醸し出す。

  ◆帳場箪笥。
               ・前槐・角手。
               ・明治中期。



―”特集・弐”―

■■『山岸コレクション・「鍵と錠」』■■

★人間が食糧や財産を蓄積し始めた頃から、世界各地で
 鍵と錠の歴史は始まる。
 日本にも古くに中国から伝来したが・「和鍵」・が盛
 んに製造されるようになるのは江戸時代から。
 特に阿波産・(徳島)・のものは、複雑なカラクリと
 装飾に特徴がある。
 阿波国は古来より藍の産地で、特に元禄期頃から木綿
 が全国的に普及し始めると、染料としての藍の需要が
 急激に拡大した。
 それによって生産農家をはじめ加工業者・(藍師)・
 藍商人は財を成し、豪壮な蔵を建造してそれを堅牢な
 錠で守った。
 商品経済が著しく発達した江戸時代・「和錠」・は、
 土佐・(高知)・安芸・(広島)・因幡・(鳥取)・
 などでも多く製造され、豪農や豪商らの蔵戸に固く施
 錠され、富の象徴となってゆく。


●●『和錠の産地別の特色』・・・●●

★製造方法は鍛造により、パーツごとの融合には溶かし
 た銅を用いた。

―”日本独自のたたら製鉄”―

★鉄鉱石の少ない日本では・6世紀ころより・砂鉄と木
 炭を炉で燃やして反応させ・「ケラ」・と呼ばれる純
 度の高い鉄を生み出す・「たたら製鉄法」・が編み出
 された。
 「たたら」・とはその火力を強めるために使われた足
 踏み式の鞴・(ふいご)・のこと。
 そうして生産された和鋼の中でも・日本刀の素材とし
 て使用された良質のものは・「玉鋼」・と呼ばれた。
 和錠の4大産地として知られる阿波・土佐・安芸・因
 幡はまた・砂鉄の豊富な産地でもあった。


●「安芸錠」・(広島県)・・・●

★安芸錠は・「どんびき・(ひきがえる)・錠」・とも
 呼ばれ、鍵穴の部分が表裏とも球状に膨らんでいるの
 が特徴で、前面のみが膨らみ裏面は平らな因幡錠とは
 区別される。
 鍛造でずっしり重く頑丈なつくりになっている。

  ◆錠。


●「土佐錠」・(高知県)・・・●

★大型肉厚で重く頑強。
 鉄味のよさは抜群。
 土佐には優れた刀鍛冶が多く、素材も刃物用の玉鋼と
 いう高級品を用いた。
 前面に縦縞状の段差があるのが特徴。
 人気歌舞伎登場人物名から・「おそめ錠」・とも呼ば
 れた。

  ◆錠。

  ◆錠。


●「阿波錠」・(徳島県)・・・●

★大振りで肉厚、重量感があり、鉄味もよい。
 また複雑なカラクリ仕掛のものが多く、意匠にも遊び
 心があふれている。
 藩主・蜂須賀家が農具製造のために育成した鍛冶屋集
 団が技を振った。
 主に藩内のみで流通された。

  ◆錠・(月と兎のシルエットの飾り付)。

  ◆錠・(側面の鍵穴を現すために複雑な工程を経な
      ければならず、鍵穴も2つある。


●「阿波錠のカラクリ」・・・●

**”3図”**

  ◆家紋をつまみ時計回りに回転させ、釘状の道具上
   の小穴に押し込む。

  ◆家紋の蓋を上にスライドさせると鍵穴が現れる。

  ◆鍵をさし込んで時計回りに二回転させると解錠で
   きる。


●「和錠の内部構造」・・・●

**”4図”**

  ◆1・鍵穴に鍵を差して左回転させると鍵溝に板バ
     ネが挟まる。

  ◆2・回転させてゆくと開いていた板バネが閉じて
     止め金から外れる。

  ◆3・さらに回転させると板バネと閂を外側へと押
     し出して解錠する。


●『富の象徴―工夫を凝らした蔵戸の錠前』・・●

  ◆鯛を釣る恵比寿様の図。

  ◆丸に梅鉢紋入。

    ★家紋部分を時計回りに10度ほど回転させな
     がらスライドさせると扉が開き鍵穴が現れる。

  ◆鶏図・銘・「二本松住菊地菊太郎作」。

    ★在銘のものは珍しい。
     解錠用の鍵穴・(上)・と・施錠用の鍵穴・
     (下)・がある。
     福島県二本松は天保年間頃から和箪笥の産地
     としても知られる。

  ◆宝船と打ち出の小槌図。

    ★打ち出の小槌を回転させるともう一つの鍵穴
     が現れるが、こちらのはゼンマイを巻き上げ
     るためのもの。

    ★花紋をスライドさせるとそれと鍵穴が現れそ
     れと同時にベルがけたたましく鳴り始める。
     時計職人が考案したカラクリ錠で、明治時代
     に富山県で多く使用された。

    ★右図は錠前内部のゼンマイ式ベルの機構の略
     図。

  ◆中国発祥の・「海老錠」。

    ★金属製の錠は中国の漢王朝・(紀元前前20
     6年~)・の頃にすでに誕生しており・「U
     」・字に曲がった形状から・「海老錠」・と
     呼ばれている。
     鍵を差し込みスライドさせる簡単な構造でヨ
     ーロッパにもたちまち普及した。
     日本では七世紀中頃の遺跡とされる大阪府羽
     曳野市野々上遺跡から出土したものが最古の
     例とされる。
     奈良県の正倉院にも唐から伝来した・海老錠
     が収蔵されている。
     小型のものは倉庫や門扉などの建造物などに
     掛けられた。
     現在でも寺社や土蔵などで使用されている。

    ◆インド製の海老錠。

    ◆日本製の小型海老錠・(具足櫃の錠前)。

  ◆ドイツ製の銀行錠・(3図)。

    ★①・施錠された状態で中央の蓋を開け鍵を入
       れても回せない。
        そこで下部の取手に手を入れて下に引こ
       うとすると、

    ★②・のように鋭い刃が勢いよく落ちてくると
       いうカラクリ錠。
       銀行員たちは、取手の中に指を入れない
       よう縁をつまんで引き下げあらあじめ刃
       を落としてから、中央の蓋を開け、鍵で

    ★③・のように解錠した。
       もう一本の鍵状の道具は、下の穴に差し
       て回転させ、ゼンマイをを巻き上げて刃
       をしまい込むためのネジ。
       刃が急激に落ちるのは巻いたゼンマイが
       弾けるため。


  ◆十二支を象った形象錠。

  ★素材は主に真鍮で、産地は中国・朝鮮・東南アジ
   アと推定される。

    ★「子」・ねずみ形錠。

    ★「丑」・牛形錠。

    ★「寅」・虎形錠。

    ★「卯」・うさぎ形錠。

    ★「辰」・龍形錠。

    ★「巳」・蛇形錠。

    ★「午」・馬形錠。

    ★「未」・羊・(山羊)・形錠。

    ★「申」・猿形錠。

    ★「酉」・鶏・(鳳凰)・形錠。

    ★「戌」・犬形錠。

    ★「猪」・豚形錠。



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