Ronald Isley+Ernie+Marvin体制での2作目、"Mission to Please"。
このアルバムを境に、現在旬の若手R&Bアーティストやプロデューサーが様々な形で彼らをサポートしていくようになり現在まで至る。また、このアルバムよりRonald Isleyの名前の後に"Mr. Biggs"という名前が付く。これはR.KellyとRonaldが初共演した"Down Low(Nobody Has To Know)"のプロモーションビデオの中で使用されたRonの役名で、その後R.KellyとRonに関連するビデオに度々登場する事になる。(有名な所では、B2Kの"Girlfriend"や、次のアルバム"Eternal"収録の"Contagious"等)
なんと言っても素晴らしい曲がこのアルバムには多い。まず、Babyfaceの"Tears"。Babyface本人もバックコーラスとして参加しこれも凄く良い味を出しているんだけれど、こういった正統派な名曲タイプの曲をRonが歌うとどんなに素晴らしい事か・・・。胸がキュンとするような甘くてセンチメンタルなバラードソングで、心をギュっと鷲づかみにされる。後期Isleysを代表する名曲だと言える。次にR. Kelly作の"Mission To Please You"。今作では3曲を提供しているけれど、この曲が一番Ronに似合っている。包容力のある懐の深い彼の声と、割とあっさり気味で何処か切なげなオケが上手く絡み合ってクールで泣ける曲に仕上がっている。
時代によってスタイルが変化するのは仕方がない事だ。だけれど、ちゃんと良質なアルバムを生産してくれる彼らだからこそ、何十年もキャリアを保ちつづける事が出来るのだろうと思う。この"Mission to Please"は間違いなく、後期Isley Brothersのアルバムの中でも名盤と呼ばれるに相応しいアルバムだと思う。