◆著者、R・D・ウィングフィールド(R.D. Wingfield or Rodney D. Wingfield)は1928年、英国ロンドン生まれ。石油会社に務めながら執筆活動を始め、1968年にBBCのラジオ劇「Compensating Error」で放送作家としてデビュー。以来、数々のラジオ劇を発表しながら、1970年に「クリスマスのフロスト」を執筆するが出版社から断られ、代わりにラジオ・シリーズ「The Secret Life of Kenneth Williams」の台本で人気を呼ぶ。1977年にラジオ劇「Three Days of Frost」でフロスト警部を初披露。1982年の「A Touch of Frost」放送が評判となり、84年にこれを「クリスマスのフロスト(A Touch of Frost)」として念願の小説化を果たすと反響を呼び、世界各国で翻訳出版される(日本では94年に出版)。1987年以降、説家としての活動に専念し、スローペースながら「フロスト警部・シリーズ」を順次刊行。1992年末からTVシリーズ化されると、さらに読者層を拡大した。2007年に前立腺癌で死去(享年79)。2009年にシリーズ第6作で遺作となる「フロスト始末(A Killing Frost)」が上梓された。文庫化以外のシリーズの短篇として、"Just the Fax" (1997) 『ファックスで失礼』(「ミステリマガジン」98・6月号)がある。