google翻譯
Excite翻譯
google & Excite翻譯僅供參考,詳細問題說明請使用商品問與答
小説刊行社。1960年刊、初版。貸本あがり。カバー貼りつけなし。カバーの両袖に貸本屋のビニールカバーのはがしあと。カバー傷み(端に裂け・欠損、表面にスレ・傷・剥離)。貸本特有のシミ・汚れあり。角ヨレ・角折れ頁あり。後ろの遊び紙に数字の書きこみ。落丁ならびに文字の欠落はありません。装幀:冨賀正俊
【内容紹介】
両親のいない君塚晴美は、兄の潤三郎とふたり暮らし。その兄が超小型着色写真機の量産を始めることになった際に、資金を出してくれたのが、ふたりの祖父の妹のつれあいの梶田幾蔵老人。その事業は大成功し、外国からも注文が殺到する。自分たちに温かい手をさしのべてくれた幾蔵に兄妹は深く感謝をしており、厳密にいえば祖父ではないものの、相手のことを「おじいさま」と呼んでいる。幾蔵は日光の中禅寺湖畔で竜頭荘なる旅館をやっており、長女の高子と婿養子の政之助がそれを手伝っていた。この三月に大学を卒業する晴美のもとに届いた幾蔵からの手紙には、竜頭荘に遊びにくるようにとあり、晴美はその招待に応じて、日光へやってくる。幾蔵には、晴美を娘夫妻の養女にし、地元で最大手の湖畔閣ホテルの若主人とゆくゆくは結婚させようという、腹づもりがあるらしい。
旅館をたずねてきたその若主人の案内で、晴美は湖畔周辺を観てまわるが、相手のまじめだが面白味のない人柄にさほど魅力を感じない。むしろ気になったのは、外国人客の応対係として旅館で働いている英男のほうで、幾蔵にとっては孫にあたるはずだが、なぜかそれ相応の扱いを受けていなかった。それというのも、英男には出生にまつわる秘密があり、実の父親は幾蔵の自殺した長男ではなかったからだ。
物語の三分の一あたりまでは、関係者たちのこうした複雑な人間関係がゆるやかなタッチで描かれ、事件らしい事件も起こらない。ところが、中盤にさしかかろうというあたりから、物語は大きく動き出す。湖の西岸で英男の母親のやっている絵葉書店に向かおうとしていた晴美は、その手前にある夏季キャンプ村の建設事務所の前にさしかかった際に、わずかに開いていたドアの間から、部屋の内部をちらりと見てしまう。すると、目に飛びこんできたのは、床に投げ出された、血に染まった人間の手首で、なかにいる技師とおぼしき人物が瀕死の重傷を負っているのを見てとり、「誰か来てくださーい!」と叫び立てる。物盗りが目的なのか、机の抽出はひっかき廻され、ふいに後方から頭を撲られたらしい技師の上衣の中身もデスクの上に放り出してあった。病院に搬送された被害者はどうにか一命をとりとめるが、その片岡技師こそが、英男の実の父親に他ならず、英男本人もそのことを承知していた。
遺産の取り分が減るからと、高子には邪魔者扱いされている英男だが、妻の尻に敷かれている政之助のほうは、英男の複雑な境遇に同情的で、なにかにつけてよくしてくれていた。素行の悪い幾蔵の末っ子の鉱吉が東京から舞い戻ってきていることを教えてくれたのも政之助で、かつて英男の母親を狙っていた鉱吉は、片岡技師に恨みを抱いていたふしがあった。襲撃犯はどうやらなにかを捜していたらしく、技師の家のなかも家捜しされていた。それがなんであるかはほどなく判明するが、犯人は晴美がそれを預かっていると思いこみ、晴美のことを待ち伏せて、襲いかかってくる。
作者の他の作品のように快男児が主人公というわけではないが、それでも終盤近くには、表題にあるような決斗の場面が用意されている。
>