1990年代にはここ日本でもそのポップでメランコリックなサウンドで人気を誇ったギターポップバンド、プッシュ・キングス (Push Kings)の中心人物、シンガー/ソングライターのキャリック・ムーア・ジェレティ (Carrick Moore Gerety)と、伝説のインディポップバンド、Waking Hoursのマイキー・マコーマック (Mikey McCormack)が2007年に結成したL.A.の3ピースバンド、エヴリバディ・エルス(Everybody Else)のデビュー作。そのルックス&センスの良さ、3ピースならではのパワフルなバンドサウンドに演奏のテクニック、何より、メロディ重視の音楽のズバ抜けたクオリティが素晴らしいです。
ドライブ感全開のパワーポップ「01. Meat Market」からご機嫌です。ザクザクしたギターサウンドと走るリズムに乗せてまくしたてるようなキラーチューン。続くナンバーは、王道の60’sポップ/ロックをベースにしつつもモダンなフィーリングをちりばめた極上の楽曲ばかりで、サビの上がり具合が絶妙の「03. I Gotta Run」、豪快なギターサウンドが気持ちよい「08. Without You」、メロディアスなアコースティック・チューン「10. The Longest Hour of My Life」、ちょっぴり80’sフィールを感じさせる「12. Alone in the World」など素晴らしいです。が、跳ねたスロウビートに小気味良いリズムギターで思いっきり高揚させるグルーヴィーチューン「07. Make Up」、哀愁たっぷりのイントロダクションから、軽快なディスコビートに乗せて、泣きメロで踊らせる「04. In Memoriam」などの、さらに飛び抜けたナンバー達が収録されている辺りに恐ろしさすら覚えます…。