御存知!名手Geezer Butler/Tony Martin同時在籍時の貴重な作品 Black Sabbath 隠れ名盤「Cross Purposes」国内盤中古でございます。
非常に状態の良い中古でございますが、CDジャケットに若干使用感、帯背に若干の色褪せがございます。
ステッカー及びポスター兼人脈図付属となります。
内容は言わずもがな。
ラインナップは興味深い時期の名手揃い。
Tony Iommi(G、後にIommi/Hughes、Heaven and Hell他)、Geezer Butler(B、Ozzy Osbourneセッション、G//Z/R、Heaven and Hell他)、故Geoff Nicholls(Key、ex-Quartz)、
Tony Martin(Vo、ex-MGM、Forcefield/Dario Molloセッション、Giuntini Project他)、Bob Rondinelli(Ds、ex-Rainbow、後にSun Red Sun、Blue Oyster Cult他)となります。
毎度御馴染みゲスト参加で知られる故Geoff Nichollsは正式メンバーとしての参加がミソ。
プロデュースはLeif Masesとバンド自身。
(前者はLed Zeppelin”In Through the Outdoor”の録音エンジニア。Black Sabbath”Tyr”、Willie & the Poorboys(!)、Kaipa(!)、Europe、Jeff Beck”Guitar Shop”、Ian Gillan ソロ傑作”Naked Thunder”等手掛ける)
1993年英国ウェールズ州”Monnow Valley Studios”での制作となります。
尚”Evil Eye”はかの天才革命児名手故Edward Van Halenによる作曲の模様。
(印税に絡むビジネス面の問題から無明記となった感)
摺った揉んだの末に完成した前作”Dehumanizer”。
以前よりは成功を収める事となりますが、”Heaven and Hell”路線を求めるファンとの溝は大きいもの。
思う程の成功は収める事は出来ず、制作中の音楽性の主導権争い等々から微妙な空気がバンド内に漂う事となります。
そこに引退宣言(後に撤回)を行った旧ヴォーカリスト”Ozzy Osbourne”側から最終公演にて前座出演そしてオリジナル期Black Sabbathによるアンコール演奏の企画が持ち込まれる事となります。
Iommi/Butlerは同意するものの、故Ronnie James Dioは憤慨し拒否。
その特別公演を前に故Ronnie James Dioは脱退、急遽代役にかの名手Rob Halford(現Judas Priest)を立て、ツアー及び特別公演に臨む事となります。
そのツアーや特別公演は非常な好評を博す事となり、無事に幕を下ろす事となります。
ツアー後Vinny Appiceも脱退。元Dio同僚の故Jimmy Bain参加の故かのWorld War Ⅲに参加そしてそのギタリストTracy Gを連れ、再編Dioに参加する事となります。
Iommi/Butlerはその後引退宣言を撤回したOzzy OsbourneやBill Wardとのオリジナル期Black Sabbath再結成を目論むものの、決裂。
その後嘗てのメンバーであったIan Gillan、怪我から復帰の故Cozy Powellに注目するも前者はDeep Purple再加入、後者はBrian May/Forcefield、ソロ作との活動で多忙。
因って不可。
されど後者(やプロデューサーのLeif Mases)からBob Rondinelli、後者のソロ名作”The Drums are Back”のツアーで再結成した”Cozy Powell's Hammer”に参加した嘗てのヴォーカリストTony Martinの推薦を受ける事となります。
されどこの辺りから、Black Sabbath名義に拘らない活動を考慮に入れており、またGeezer ButlerがBlack SabbathのヴォーカリストとしてのTony Martinの起用に難色を示した事もあり、
”Iommi/Butler”プロジェクトとして始動する事となります。
(何故通常ゲスト扱いの故Geoff Nichollsが今作で再び正式参加になったか?が窺えるものでございます...........)
”Iommi/Butler”プロジェクトとしての新作制作を進め完成に近づくものの、レコード会社側は”Black Sabbath”名義として新作リリースを強く依頼。
Geezer Butlerは反対するものの説得され、渋々同意。
完成後は”Black Sabbath”新作としてリリースされる事となります.....................
さて今作。
そもそも”Iommi/Butler”プロジェクトとして創作・制作された事がミソでございます。
Tony Martin復帰という事で名作と言われた”The Eternal Idol””Headless Cross””Tyr”路線が期待されますが、Geezer Butlerの存在がミソでございます。
そもそもGeezer ButlerはTony Iommiと並ぶ重要な創作者。
かの大傑作”Heaven and Hell”はIommi/Dioで基礎創作が完成していた後にGeezer Butler復帰というもの。
次作”Mob Rules”ではGeezer Butlerが基礎創作から深く関わっており、ベーシストとしてのリズム指向も絡み、音楽性が変化したものでございました。
今作でもオリジナル期Black Sabbathのリズム面でのヘヴィさと当時Geezer Butlerが指向した現代へヴィネスさが強く加えられており、独特の音楽性となっております。
またIommi/Martinの音楽性が復活した事や故Geoff Nichollsが(そもそも創作開始がBlack Sabbathでは無い事があり)アレンジ参加している事があり、
”Headless Cross””Tyr”的な音楽性が色濃く見えるもの。非常に興味深いものがございます。
但し、前作同様の音楽性の分裂が感じられる面があり、(前作程ではないにせよ)パート毎に音楽性が変わる個所が聴かれるというもの。
(前作程ではないにせよ)音楽性の融合では無く、摺り合わせで成り立つ、という感がございます。
そもそも創作開始が”Black Sabbath”では無い”Iommi/Butlerプロジェクト”。
制作中に”Black Sabbath名義”が冠される事となり、因ってBlack Sabbath的な音楽性を強く加えられた跡の感もございます。
Bob Rondinelliの演奏でございますが...........
ドラミングのセンスは良い、音も良い、されどリズムが..............と揶揄されましたが、後期Rainbow時代からは格段の成長を遂げたもの。
非常に洗練された感が有り、手数の有り方が楽曲の向上に貢献しているもので、故Cozy Powellの推薦が頷けるものでございます。
(但し、ライヴでは細かい技術を伴うタイムキープではリズムのズレを生じる面がございましたが、ここがBob Rondinelliの弱点の感。
大技系やシンプルなリズムには長けているものの、小技系や変拍子系リズム系は(昔程ではないにせよ)得意ではないという感がございます...........)
さて”Evil Eye”でございますが...................
実は故Edward Van Halenによる作曲によるものである事が知られておりますが、かの”Van Hagar”末期に入る時期の作曲で非常にヘヴィなもの。
グランジ/オルタナ台頭・全盛期という時期でもある事が非常に興味深いもの。Black Sabbathによるアレンジが加わっているとは言えども、そもそもが非常にヘヴィな楽曲。
後の映画”Twister”サントラ音楽に起用されるものの、制作で名手Sammy Hagarとの確執を招き”Van Hagar”ラインナップ崩壊に繋がったとも言われる”HumansBeing”へと繋がっていくという感がございます。
完成後はツアーに勤しむものの、(一部を除いて)前作程の評価やセールスは得られず。
米国はかなりの不信となってしまいます。
ツアー後、Geezer Butlerは離脱。自身のプロジェクト”G//Z/R”を立ち上げる等の活動に勤しむ事となります....................
Iommi/Nicholls/Martin側は、Brian Mayとの活動を終えた名手リズム隊故Cozy Powell/Neil Murrayに参加を依頼。
評価は高かった”Tyr”ラインナップの再構築を図る事となります.............................
されど時代が時代。
Pantera等現代メタル系やオルタナ/グランジ勢による”Black Sabbath再評価”を鑑み、レコード会社側がバンド側に「現代メタル音楽性のBlack Sabbath新作制作」を強く依頼する事となります......................
そして問題作”Forbidden”..................................
現在Black Sabbath過去作のアーカイヴ化が徐々に進められております。
それに従い、ライヴ音源発掘等の期待が高まりますが、この時期は独立レーベルとの契約やセールス不振の関係から予算が限られ、安普請感が否めぬ制作で忸怩たる思いをしていた感がございます。
(今作を含めたTony Martin期Black Sabbath作品に関して)名手Tony Iommi曰くは「再発に当たり、リミックスしたい」との事でございます。
かのOzzy Osbourneのみならず改訂版と称されるものの、改悪盤として揶揄される再発アーカイヴ化作品が案外見受けられます。
何をか言わんや、でございます...................................................................
今作のツアーでは今作ラインナップでのライヴ録音が為され、映像音源共に公式リリース。
また、南米ツアーではかの名手Bill Wardが復帰。
Iommi/Butler/Ward/Martin/Nichollsによる(TV放送用映像収録が伴う)ラジオ放送向けのライヴ録音が為されている事が非公式に確認されております。
本格的なアーカイヴ化の際には完全収録を御願いしたものでございます........................................
ボーナス楽曲は一曲。
ラフ・ミックスの感がございますが、案外良い楽曲。早いテンポの楽曲でございますがBlack Sabbathとしては普通の感。
印象が弱いという事で本編から外された感がございます。
この機会に是非。