★著者、ジェイムズ・エルロイ(Lee Earle "James" Ellroy)は、1948年、ロサンジェルス生まれ。10歳のとき、何者かに看護師だった母ジニーヴァを殺害される(犯人は現在も不明)。その後、父親に引き取られるも、17歳の時に父親死去。高校中退後、空き家に住んだり、下着泥棒をやったり、ドラッグの売人をしたりと、犯罪者同然のような生活を過ごす。アルコール中毒で入院した事もあり。20代後半に文学に目覚め、小説を書き始める。母の死についてエルロイが独自に調査を重ねた手記は『わが母なる暗黒(My Dark Places)』として出版された。1987年、実際にあったエリザベス・ショート事件を題材にした『ブラック・ダリア(The Black Dahlia)』で注目を浴びる。同作に続く『ビッグ・ノーウェア(The Big Nowhere)』、『L.A.コンフィデンシャル(L.A. Confidential)』、『ホワイト・ジャズ(White Jazz)』は、「暗黒のLA四部作(L.A. Quartet)」として名高い。この内2作は既に映画化され高い評価を受けた。過激な暴力描写と複雑緻密を極める多数の事件で展開する第4部の『ホワイト・ジャズ』は暗黒小説の金字塔と評され、これも映画化企画が進行中。同4部作に続き、60年代のケネディ政権とマフィアの暗躍を活写した『アメリカン・タブロイド(American Tabloid)』、『アメリカン・デス・トリップ(The Cold Six Thousand)』、『Blood's a Rover』の「アンダーワールドU.S.A. 3部作(Underworld USA Trilogy)」が発表された。