欝病の最盛期は本など読めませんが、少し落ち着き始めてから色々な自分自身に対する疑問が湧いてくる時期にであった本です。邦題は「悪について」となっていますが、原題は「The Heart of Man - Its Genius for Good and Evil-」という題で、人間の心において果たして膳である状態は、悪である状態はどういうものか言及した本です。読んでみると素人の私にも、「人間の心が人間らしさを失うことで起こる不具合」を理解する一助になった良書です。ナルシシズムの記述などは、現代の個人主義社会の中では、かなり多く見られながらみんなが目を向けずに過ごして苦しんでいる部分なんじゃないかなと思います。誰にでも向く書籍とは言えませんが、薄い本ですので、すぐ読めるし今では座右の一冊となっています。