御存知!名手David Spinnoza等参加 Paul & Linda McCartney共作名義 Wings結成への橋渡し的傑作「Ram」本国旧リマスター仕様ボーナス楽曲付 国内盤中古でございます。
盤共に非常に状態の良い中古でございます。
本国旧リマスターでございます。
非常に良心的ではございますがノイズ処理等々が為されており、またCDに合わせた音質と言う感が有り、幾分リミックス感がございます。
現在ではこのPaul McCartney作品群最新リマスターがリリースされておりますが、作品によってはデータの音飛びが指摘されております。
ファンを中心として指摘が為され、改善が求められておりますが、レーベル側は「これが正規」の一点張り。
(The Beatles某作品も同じ...................)
何をか言わんや、でございます.........................................
ラインナップは興味深い面々。
Paul McCartney(Vo、B、G、Key、Uklele、後にPaul McCartney & Wings、ex-The Beatles)、故Linda McCartney(B-vo、Vo、後にPaul McCartney & Wings)、
名手David Spinnoza(G、4曲のみ。後にPaul Simon/Billy Joel/John Lennonセッション、L'Image他)、名手Hugh McCraken(G、後にTom Scott、Steely Dan/Donald Fagen/Billy Joel/Art Garfunkelセッション他)、
Denny Seiwell(Ds、後にPaul McCartney & Wings)となります。
また、ニューヨーク交響楽団(二曲のみ)の起用がございます。
プロデュースはMcCartney夫妻(ボーナス楽曲のみPaul McCartney自身)。
1970年10月16日~1971年2月米国ニューヨーク”CBS Studios B””A&R Studios”での制作となります。
1969年9月のバンド会合でThe Beatles脱退を宣言。その後田舎に家族と共に引き籠り、思い悩み、落ち込むPaul McCartney。
されど愛妻故Linda McCartneyの励ましが有り、再び創作活動に乗り出す事となります。
そして自身の農場兼住居にて創作と制作を開始。
そもそも譜面が読めないPaul McCartneyは自身の頭脳にある音楽を如何に相手に説明する事やその解釈の相違に悩んでいた感。
(かの名手Todd Rundgrenと似た感が..............)
されど当時の録音機器の向上から一人多重録音制作が可能となった事で意欲的に創作を続け、更に制作を正式なスタジオに移す事となります。
録音後ミキシングは使い慣れた”Abbey Road Studios”にて、となりますが、当時The Beatlesはかの”Let It Be”のミキシング中。
制作スタッフにかなりの箝口令を引き、極秘裏に完成に漕ぎ着ける事となります。
されどこの動きが憶測を呼ぶ事となり、遂に1970年4月「Paul McCartney脱退、The Beatles解散」宣言が為される事となります。
一週間後1st”McCartney”をリリース。相当な好評をファンに以て迎えられる事となります。
1st”McCartney”が大きなセールスを挙げソロ独立は順風満帆となりますが、メディアは酷評。
またその”The Beatles”を巡り、Paul McCartneyとJohn Lennon/George Harrison/Ringo Starrが対立。非常な拗れを生む事となります........
その混乱の中Paul McCartneyは苦悩するものの、リハビリを兼ね次作への創作を開始。
されどThe Beatles脱退から支えとなった愛妻故Linda McCartneyを創作に引き入れる事を決意する事となります。
また英国での”The Beatles”に絡む騒乱を避け、家族と共に米国へ移行。また前述の拗れが訴訟化する事での相談打ち合わせも兼ね、ニューヨークでの新作制作に乗り出す事となります。
またライヴ活動を見越しオーディション選考を行い、Denny Seiwellを獲得。
セッション・ミュージシャンとして駆け出しだった米国クロスオーヴァー系名手David Spinnozaを故Linda McCartneyの要望で起用。
(制作が”A&R Studios”に移行した頃に名手David Spinnozaはスケジュールの関係で離脱。名手Hugh McCrakenがDavid Spinnozaの紹介で起用)
本格的に今作制作に乗り出す事となります..................
さて今作。
後に結成される”Paul McCartney & Wings”への橋渡し的な作品でございます。
前作に繋がる一人多重録音感のあるものやソロ作的な音楽性から、バンド編成での録音というもの。
譜面が読めないPaul McCartneyが自身の頭脳にある音楽を他に説明する必要が無いという前作の一人多重録音がファンに非常に好評ではあったものの、
演奏の技術的な問題や他からの音楽的なインプットを欲した事を窺える感の有るもの。
まずはパートナーたる愛妻故Linda McCartneyを引き込む事から始まり、リズム的なインプットを専任ドラマーやギタリストから受け、如何に音楽性を発展させるか?を窺えるもの。
McCartney夫妻のプロジェクト名義で更にはバンド構想が制作中に立ち上がって言った感が有り、音楽性にソロ的なバラつきがございますが、
楽曲はメロディ重視で非常に質の高いもの。
但し、趣味性が高いもので非常に凝ったもの。正直一般的なものではない事がミソ。
後に登場する”10CC”的な”アート/ポピュラー系””実験/ポピュラー系”に繋がるものがあり、案外人を選ぶ感覚がある音楽性。
またThe Beatles時代ではLennon/McCartneyという共作であった事で、Paul McCartneyがになっていた役割が窺える音楽性。
後に楽曲にThe Beatles時代の翳りの無さを非難される事になるPaul McCartneyではございますが、その批判が御門違いである事が分かるものでもございます。
(歌詞には毒があり、他のThe Beatles面々や愛妻故Linda McCartneyの前夫を揶揄したものとか..........当時抱えていた不満の捌け口という感が有り、
感情に左右されがちなPaul McCartneyらしいと言えばそうでございますが..........何かねぇ.......
後にこの姿を故John Lennonの揶揄された楽曲もございますが........................)
当初は制作時にライヴ活動を見越してソロバンドを構想していたものの、「自身が主導であるものの、カミさんを加えた上でバンド的なインプットが得られる編成」を模索する様になり、
後の”Paul McCartney & Wings”構想へと繋がっていく感が音楽性から窺える感がございます..........................
リリース後はメディアを中心とした非難が強く成されるものの、前作に引き続き大ヒットを記録。
”The Beatles”人気が残っていた当時とは言えど、如何に当時の聴衆が鋭いものを求めていたか?が窺えるものでございます.................
今作制作の後にかの”Moody Blues”離脱後ソロ中心として活動していたDenny Laineを加入させ、同年7月から改めて”Wings”として新作”Wild Life”を制作。
あくまでもバンド編成に拘ったものの、非常な好評を呼ぶ事となります。
またライブでの音楽性の再現を考慮する必要が生じており、名手故Henry McCullough(ex-Joe Cocker & the Grease Band、the Grease Band他)をスカウト。
本格的にバンド活動に乗り出していく事となります...................
ボーナス楽曲は2曲。
Paul McCartneyとしてソロ初シングルリリースとなる”Another Day”、そしてそのB面楽曲”Oh Woman, Oh Cry”となります。
前者は大ヒットを記録したものではございますが、両者共に後の”Wings”に繋がる音楽性でございます。
それもその筈、1971年1月の今作制作末期での制作。
今作制作中にバンド構想に着手、その手始めにアイデアを試すという感のある楽曲でございます..................................
この機会に是非。