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数カ月前、マデリンは勤める会社の社長直属秘書に昇格した。世界中を飛びまわっているという社長の顔は、まだ見たことがないが、仕事にはやりがいを感じている。そして、そんな多忙な時間のあと、家で一人過ごす静かなひとときがマデリンは大好きだった。だが、隣にカルという男性が住み始め、マデリンの毎日は一変する。何かにつけてからかわれ、不躾な目を向けられるようになったのだ。なんていやな男性!でも、あのグレーの瞳に吸い込まれそう。憤慨しながらも、彼に引かれ始めていたマデリンの心は、ある日彼が言った言葉で粉々に砕け散った。「僕と情事を楽しまないか」。 >